法人税会員向け7:34

法人税・法人住民税・法人事業税:利益と税務をつなぐ

法人税、法人住民税、法人事業税の基本関係を、会計上の利益と課税所得の違い、益金・損金の考え方、申告の流れの入口まで整理して学びます。国税と地方税の区別を明確にし、試験で混同しやすい点を重点的に確認します。税率や地方税の細かな数値は受験日の法令基準日で確認する前提で、公式範囲の基本理解に絞って解説します。

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この講で分かるようになること

会計上の利益と法人課税の関係を基本的な調整から説明できる。

  • 益金と損金の意味を初学者向けに説明できる。
  • 法人税と地方税の区分を言い分けられる。
  • 申告の基本的な流れを順序で述べられる。

要点

  1. 会計上の利益と課税所得は同一ではない。
  2. 税務上の調整の中心概念が益金と損金である。
  3. 法人税は国税、法人住民税と法人事業税は地方税である。
  4. 本範囲では申告の基本を学び、個社の申告作成までは扱わない。

判断のルール

  • 問題文で『利益』と『所得』の語を見たら同じ意味と決めつけない。
  • 税目を答えるときは、国税か地方税かまで合わせて確認する。
  • 税率や外形標準課税など改正の影響を受ける事項は、受験日の法令基準日で確認する。
  • 会計処理の話か、税務上の扱いの話かを区別して読む。

例題

例題1例題1:税目の分類判断

ある会社の経理担当者が『法人税、法人住民税、法人事業税は、どれも同じ種類の税金として覚えればよい』と言っています。この説明は適切ですか。

答え適切ではありません。法人税は国税で、法人住民税と法人事業税は地方税です。

考え方判断のポイントは、税金の名前の似ている点ではなく、国税か地方税かの分類です。法人税は法人の所得に対する国税として整理し、法人住民税と法人事業税は地方税として区別します。したがって、三つを同じ種類としてひとまとめに覚える説明は誤りです。

確かめ『法人にかかる税』という共通点だけでまとめず、国税と地方税を分けているかを確認しましょう。

例題2例題2:利益と所得の比較

ある法人の会計上の利益が500、税務上の加算が40、税務上の減算が10だとします。このとき、税務上の所得はいくらと考えますか。なお、ここでは学習用に、所得=会計上の利益+加算−減算とします。

答え税務上の所得は530です。

考え方この問題では、会計上の利益を出発点にして税務上の調整を行います。まず500に加算40を足して540、そこから減算10を引いて530です。大切なのは、会計上の利益500がそのまま所得になるのではなく、税務上の調整後に所得が求まると理解することです。

確かめ計算式だけでなく、『会計上の利益と課税所得は別で、調整が入る』という考え方を説明できるか確認しましょう。

例題3例題3:誤りやすい条件確認

次の説明のうち、最も適切なものを一つ選んでください。A『益金とは会計上の収益と必ず一致する』。B『損金とは税法上の費用として扱う考え方である』。C『法人事業税は国税である』。

答えBが適切です。

考え方Aは誤りです。益金は税法上の収益概念であり、会計上の収益と常に完全一致するとは限りません。Bは正しく、損金は税法上の費用として扱う考え方を示しています。Cも誤りで、法人事業税は地方税です。したがって、正解はBとなります。

確かめ益金・損金は『税法上の概念』であること、法人事業税は『地方税』であることを取り違えていないか確認しましょう。

よくある間違い

会計上の利益がそのまま課税所得になると思い込む。

法人税と法人住民税・法人事業税をまとめて同じ税種として覚える。

益金を会計上の収益、損金を会計上の費用と完全一致で理解してしまう。

申告の基本を問う問題で、個別企業の申告書作成レベルまで考えすぎる。

この講の用語

益金えききん
法人税の計算で、税法上の収益として扱うもの。会計上の収益と完全に同じとは限らない。
損金そんきん
法人税の計算で、税法上の費用として扱うもの。会計上の費用がそのまま認められるとは限らない。
法人税ほうじんぜい
法人の所得に対して課される国税。法人課税の中心となる税目である。
法人住民税ほうじんじゅうみんぜい
法人に課される地方税の一つ。法人税と名前が似ていても国税ではない。
法人事業税ほうじんじぎょうぜい
法人の事業活動に関して課される地方税。法人住民税と同様に地方税に分類される。

章立て

  1. 0:00導入この講でできるようになる判断を確認します。
  2. 0:25中心概念法人税、法人住民税、法人事業税、益金・損金、申告の基本。
  3. 1:17重要用語益金、損金、法人税、法人住民税、法人事業税
  4. 2:02基本ルール問題文で『利益』と『所得』の語を見たら同じ意味と決めつけない。 税目を答えるときは、国税か地方税かまで合わせて確認する。 税率や外形標準課税など改正の影響を受ける事項は、受験日の法令基準日で確認する。 会計処理の話か、税務上の扱いの話かを区別して読む。
  5. 2:29判断手順条件を確認し、分野を特定し、制度・計算を照合してから結論を選びます。
  6. 2:58確認ケース1ある会社の経理担当者が『法人税、法人住民税、法人事業税は、どれも同じ種類の税金として覚えればよい』と言っています。この説明は適切ですか。
  7. 3:32確認ケース2ある法人の会計上の利益が500、税務上の加算が40、税務上の減算が10だとします。このとき、税務上の所得はいくらと考えますか。なお、ここでは学習用に、所得=会計上の利益+加算−減算とします。
  8. 4:34確認ケース3次の説明のうち、最も適切なものを一つ選んでください。A『益金とは会計上の収益と必ず一致する』。B『損金とは税法上の費用として扱う考え方である』。C『法人事業税は国税である』。
  9. 5:38よくある誤り会計上の利益がそのまま課税所得になると思い込む。 法人税と法人住民税・法人事業税をまとめて同じ税種として覚える。 益金を会計上の収益、損金を会計上の費用と完全一致で理解してしまう。 申告の基本を問う問題で、個別企業の申告書作成レベルまで考えすぎる。
  10. 6:44まとめ法人課税の基本は、会計上の利益をそのまま税額計算に使うのではなく、益金・損金の考え方で税務上の所得へ調整する点にあります。そして税目は、国税である法人税と、地方税である法人住民税・法人事業税に分けて理解します。試験では、数値暗記よりも、利益と所得の違い、国税と地方税の区別、申告の基本的な流れを正確に説明できることが重要です。
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