消費税・会社間税務会員向け7:50

消費税・会社間税務・決算書:法人の取引を税務で読む

消費税の基本、課税売上と仕入税額控除の見方、会社と役員・会社間取引の税務上の注意点、決算書と法人税申告書の役割の違いを整理します。あわせて、諸外国の税制度と最新動向は詳細計算ではなく位置づけとして確認し、法人取引を分類して読む力を養います。税率や制度改正の細部は受験日の法令基準日で確認する前提で学習します。

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この講で分かるようになること

法人取引を消費税、会社・役員間税務、決算書の視点で分けて確認できる。

  • 課税売上とそれ以外を分けて見られるようになる。
  • 仕入税額控除を会計上の費用と混同しないようになる。
  • 役員と会社、会社と会社の取引を別主体として整理できる。
  • 決算書と法人税申告書の役割の違いを説明できる。

要点

  1. 取引はまず相手と内容を確認し、課税関係を分類する。
  2. 課税売上の判定と仕入税額控除の判定は別々に考える。
  3. 役員給与は会社内部の動きではなく、会社と個人の取引として見る。
  4. 決算書は会計資料、法人税申告書は税務資料として役割を分ける。

判断のルール

  • 消費税は売上の有無だけでなく、取引の性質と相手を確認して判断する。
  • 仕入税額控除は、支出した事実だけでなく要件の確認が必要である。
  • 会社と役員の資金の動きを混同せず、別主体として整理する。
  • 決算書の利益と税務上の所得は一致するとは限らない。
  • 制度改正に関わる税率や細目は受験日の法令基準日で確認する。

例題

例題1例題1 制度・商品の判断

A社は商品販売を行う会社です。ある取引について、経理担当者が「売上として計上したのだから、消費税でもまず課税売上として考えればよい」と説明しました。この判断の仕方は適切でしょうか。

答え適切とはいえません。

考え方消費税では、会計上売上に計上したかどうかだけで直ちに課税売上と決めません。まず、その取引がどのような内容か、相手はだれか、事業として行われたものかなど、課税関係の条件を確認する必要があります。したがって、会計上の売上であることは出発点にはなりますが、それだけで課税売上と断定する考え方は不十分です。

確かめ「売上=課税売上」と短く結び付けていないかを確認しましょう。会計上の区分と消費税上の判定は別に見るのが基本です。

例題2例題2 簡単な計算または比較

B社の当期の取引を次の仮定で考えます。課税売上に当たる売上が500、課税関係を持たない売上が200ありました。さらに、仕入税額控除の対象になる仕入れが300、対象にならない経費が100ありました。消費税を学ぶうえで、まず比較の中心に置くべき金額はどれですか。

答えまず中心に置くべきなのは、課税売上500と、仕入税額控除の対象になる仕入れ300です。

考え方この問題は税額計算をするのではなく、どの数字を税務上の検討対象として優先するかを問うています。消費税では、売上全体700を見るのではなく、課税売上に当たる500を取り出して考えます。また、支出全体400を見るのでもなく、仕入税額控除の対象になる300を区別して見ます。課税関係を持たない売上200や、対象にならない経費100は、同じようには扱いません。

確かめ総額で見る癖がついていないかを確認しましょう。消費税は、売上総額や費用総額ではなく、課税関係ごとに分けて比較するのが基本です。

例題3例題3 誤りやすい条件確認

C社の社長は役員です。C社では、社長への毎月の支払いについて「会社の口座から出ているので、会社内部のお金の移動にすぎず、税務上はあまり区別しなくてよい」と説明する人がいます。この説明は正しいでしょうか。

答え正しくありません。

考え方役員給与は、会社から役員個人への支払いです。したがって、会社内部で完結する単なる資金移動として片付けることはできません。税務では、会社と役員を別主体として見て、その支払いがどのような性質のものかを確認します。ここで会社のお金と個人のお金を混同すると、会社、役員間の税務の理解を誤りやすくなります。

確かめ役員は会社そのものではない、という点を確認しましょう。会社と役員を別主体として整理することが判断の第一歩です。

よくある間違い

売上であればすべて同じように消費税を考えると思い込む。

会計上の費用なら、必ず仕入税額控除の対象になると考えてしまう。

役員への支払いを会社内部の処理として軽く見てしまう。

決算書の利益と法人税申告書の所得を同じものとして扱ってしまう。

この講の用語

課税売上かぜいうりあげ
会社の売上のうち、消費税の課税関係を持つものをいう。まずここを判定することが、消費税の学習の出発点になる。
仕入税額控除しいれぜいがくこうじょ
仕入れや経費に含まれる消費税相当額について、要件を満たす場合に売上にかかる消費税から差し引く考え方である。
役員給与やくいんきゅうよ
会社が役員に支払う報酬などをいう。会社の費用としての面と、役員個人への給付としての面を分けて考える必要がある。
法人税申告書ほうじんぜいしんこくしょ
法人税の計算結果を申告する税務資料である。決算書と役割が異なり、税務上の所得や調整結果を確認するために用いる。

章立て

  1. 0:00導入この講でできるようになる判断を確認します。
  2. 0:21中心概念消費税の基本、役員・会社間取引、決算書と申告書の関係、外国税制の位置づけ。
  3. 1:08重要用語課税売上、仕入税額控除、役員給与、法人税申告書
  4. 1:56基本ルール消費税は売上の有無だけでなく、取引の性質と相手を確認して判断する。 仕入税額控除は、支出した事実だけでなく要件の確認が必要である。 会社と役員の資金の動きを混同せず、別主体として整理する。 決算書の利益と税務上の所得は一致するとは限らない。 制度改正に関わる税率や細目は受験日の法令基準日で確認する。
  5. 2:37判断手順条件を確認し、分野を特定し、制度・計算を照合してから結論を選びます。
  6. 3:07確認ケース1A社は商品販売を行う会社です。ある取引について、経理担当者が「売上として計上したのだから、消費税でもまず課税売上として考えればよい」と説明しました。この判断の仕方は適切でしょうか。
  7. 3:33確認ケース2B社の当期の取引を次の仮定で考えます。課税売上に当たる売上が500、課税関係を持たない売上が200ありました。さらに、仕入税額控除の対象になる仕入れが300、対象にならない経費が100ありました。消費税を学ぶうえで、まず比較の中心に置くべき金額はどれですか。
  8. 4:41確認ケース3C社の社長は役員です。C社では、社長への毎月の支払いについて「会社の口座から出ているので、会社内部のお金の移動にすぎず、税務上はあまり区別しなくてよい」と説明する人がいます。この説明は正しいでしょうか。
  9. 5:52よくある誤り売上であればすべて同じように消費税を考えると思い込む。 会計上の費用なら、必ず仕入税額控除の対象になると考えてしまう。 役員への支払いを会社内部の処理として軽く見てしまう。 決算書の利益と法人税申告書の所得を同じものとして扱ってしまう。
  10. 7:00まとめ法人の取引を税務で読むときは、まず取引の相手と内容を確認し、消費税の課税関係を分類します。次に、課税売上と仕入税額控除を別々に判定し、会社と役員、会社と会社の取引を混同しないことが重要です。さらに、決算書と法人税申告書は目的の異なる資料として役割を分けて読みます。諸外国の税制度や最新動向は詳細計算に広げず、位置づけを押さえる姿勢で学習しましょう。
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