贈与・相続法会員向け9:07

贈与・相続の法律:相続人、遺言、遺留分を順に判断する

贈与契約、法定相続人、法定相続分、遺言、遺留分、遺産分割を、相続で迷わない判断順序に沿って整理します。相続人を先に確定し、遺言と遺留分を分けて確認する基本を学びます。法令や制度の細かな更新事項は、受験日の法令基準日で確認してください。

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この講で分かるようになること

贈与、相続人、遺言、遺留分を法的な順序で整理できる。

  • 贈与契約と相続の場面の違いを説明できる。
  • 法定相続人と法定相続分を区別して使える。
  • 遺言の有無と遺留分の確認を別段階で判断できる。

要点

  1. 相続では、財産の分け方より先に相続人を確定する。
  2. 法定相続人と法定相続分は別の概念として整理する。
  3. 遺言があっても、遺留分の確認は別に必要となる。
  4. 贈与契約は生前、遺産分割は相続開始後の問題である。

判断のルール

  • 相続の判断は、相続人の確定、相続分の把握、遺言の確認、遺留分の確認の順で進める。
  • 配偶者は常に相続人となり、他の相続人は順位に従って確認する。
  • 法定相続分は標準的な割合であり、遺言や遺産分割との関係を必ず見る。
  • 制度の細部や最新の法令運用は、受験日の法令基準日で確認する。

例題

例題1例題1 制度の判断:まず誰を相続人とみるか

甲が死亡し、家族は配偶者A、子B、子Cです。相続の検討を始めるとき、最初に確認すべき事項として最も適切なのは何ですか。①遺留分の計算 ②法定相続人の確定 ③遺産分割の具体案

答え②法定相続人の確定です。

考え方相続問題は、先に誰が相続する資格を持つかを確定しなければ、法定相続分も遺言の影響も正しく判断できません。この事例では、配偶者Aと子B・子Cがいるため、まず相続人の範囲を整理するのが出発点です。遺留分の確認や遺産分割の具体案は、その後の段階で扱います。

確かめ設問で迷ったら、「誰が相続人か」「どう分けるか」「遺言はあるか」「遺留分はどうか」の順を思い出してください。順番を入れ替えないことが重要です。

例題2例題2 比較の判断:遺言と法定相続分のどちらを先に見るか

被相続人乙の財産を100という仮定値で考えます。家族は配偶者Dと子Eの2人で、乙は『全財産をDに与える』という遺言を残していました。このとき、法的な検討手順として適切なのはどれですか。①最初に100を法定相続分どおりに機械的に分けて終了する ②相続人を確認し、遺言の内容を見たうえで、必要なら遺留分も確認する

答え②が適切です。

考え方財産が100という数値は比較のための仮定にすぎません。重要なのは、先に相続人を確認し、そのあとで遺言による指定を見て、さらに遺留分の問題を別に確認することです。法定相続分は基準になりますが、遺言がある事例で最初から機械的に分けて結論にするのは不適切です。

確かめ数値が出てくると計算したくなりますが、相続では計算前に判断順序が大切です。法定相続分は出発点であって、常に最終結論ではありません。

例題3例題3 条件確認:贈与契約か遺産分割か

次のうち、贈与契約に当たるものはどれですか。①本人が生前に、自分の財産を無償で渡すことについて相手と合意した ②本人の死亡後に、相続人同士で遺産の分け方を話し合った ③本人の死亡後に、遺言の有無を確認した

答え①です。

考え方贈与契約は、生前に当事者間の合意によって財産を無償で与える法律行為です。②は相続開始後の遺産分割であり、③は相続手続の確認場面であって、贈与契約ではありません。ポイントは、生前か死亡後か、そして当事者の合意による無償移転かどうかです。

確かめ『生前の合意』なら贈与契約、『死亡後に相続人で分ける』なら遺産分割と整理すると区別しやすくなります。

よくある間違い

法定相続人を確定しないまま、いきなり法定相続分を当てはめてしまう。

遺言があるなら遺留分は考えなくてよいと誤解する。

贈与契約と遺産分割を、どちらも単なる財産移転として同じ場面で考えてしまう。

相続人の範囲と、実際の最終的な取得割合を同じものとして扱ってしまう。

この講の用語

法定相続人ほうていそうぞくにん
民法の定めにより、相続する資格を持つ人のことです。まず誰が該当するかを確定してから、分け方を考えます。
法定相続分ほうていそうぞくぶん
民法上の標準的な相続割合のことです。誰が相続人かが決まったあとで確認します。
遺言ゆいごん
本人が死亡後の財産の承継方法などを定める意思表示です。相続人の確認後に内容を見ます。
遺留分いりゅうぶん
一定の相続人に保障される最低限の取り分です。遺言があっても別に確認します。
遺産分割いさんぶんかつ
相続開始後に、共同相続人の間で遺産の具体的な分け方を決めることです。

章立て

  1. 0:00導入この講でできるようになる判断を確認します。
  2. 0:33中心概念贈与契約、相続人、法定相続分、遺言、遺留分、遺産分割。
  3. 1:46重要用語法定相続人、法定相続分、遺言、遺留分、遺産分割
  4. 2:51基本ルール相続の判断は、相続人の確定、相続分の把握、遺言の確認、遺留分の確認の順で進める。 配偶者は常に相続人となり、他の相続人は順位に従って確認する。 法定相続分は標準的な割合であり、遺言や遺産分割との関係を必ず見る。 制度の細部や最新の法令運用は、受験日の法令基準日で確認する。
  5. 3:31判断手順条件を確認し、分野を特定し、制度・計算を照合してから結論を選びます。
  6. 4:03確認ケース1甲が死亡し、家族は配偶者A、子B、子Cです。相続の検討を始めるとき、最初に確認すべき事項として最も適切なのは何ですか。①遺留分の計算 ②法定相続人の確定 ③遺産分割の具体案
  7. 4:40確認ケース2被相続人乙の財産を100という仮定値で考えます。家族は配偶者Dと子Eの2人で、乙は『全財産をDに与える』という遺言を残していました。このとき、法的な検討手順として適切なのはどれですか。①最初に100を法定相続分どおりに機械的に分けて終了する ②相続人を確認し、遺言の内容を見たうえで、必要なら遺留分も確認する
  8. 5:53確認ケース3次のうち、贈与契約に当たるものはどれですか。①本人が生前に、自分の財産を無償で渡すことについて相手と合意した ②本人の死亡後に、相続人同士で遺産の分け方を話し合った ③本人の死亡後に、遺言の有無を確認した
  9. 7:11よくある誤り法定相続人を確定しないまま、いきなり法定相続分を当てはめてしまう。 遺言があるなら遺留分は考えなくてよいと誤解する。 贈与契約と遺産分割を、どちらも単なる財産移転として同じ場面で考えてしまう。 相続人の範囲と、実際の最終的な取得割合を同じものとして扱ってしまう。
  10. 8:17まとめ相続の法律は、まず法定相続人を確定し、次に法定相続分を整理し、そのあとで遺言、さらに遺留分を確認する順序が重要です。贈与契約は生前の合意、遺産分割は相続開始後の調整であり、場面を切り分けることが基本です。順番を守れば、複雑に見える設問でも落ち着いて判断できます。
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