損害・第三分野保険:補償・税務・法人リスクを整理する
火災保険、地震保険、自動車保険、賠償責任保険、医療・がん・介護の第三分野、さらに法人契約の損害保険までを、補償対象・保険金・税務・法人リスクの観点から整理します。何の損失を補うのかを先に確認し、補償内容と税務を分けて判断する基本手順を身につけます。更新事項に関わる税務や制度の細目は受験日の法令基準日で確認する前提で、試験で使える見分け方に絞って学びます。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
補償対象、保険金、税務、法人リスクを事例に沿って区別できる。
- 物の損害・人の保障・第三者への賠償を切り分けられる。
- 地震保険制度や保険金課税が更新論点であると理解する。
- 個人契約と法人契約で確認すべき視点の違いを説明できる。
要点
- 最初に、何の損失を補う保険かを確認する。
- 火災・地震・自動車・賠償責任は補償対象で区別する。
- 第三分野は医療・がん・介護など人の状態に着目する。
- 補償内容の判断と税務の判断は別に行う。
- 法人契約では事業上のどのリスクに備えるかを起点に考える。
判断のルール
- 建物や家財の損害は火災保険など物の保険として考える。
- 地震による損害は地震保険制度の論点として切り分ける。
- 他人への法律上の損害賠償責任は賠償責任保険の視点で捉える。
- 医療・がん・介護は第三分野として、人の病気や状態に着目する。
- 税務の細目は受験日の法令基準日で確認する。
例題
例題1例題1 制度・商品の判断
Aさんは自宅の建物と家財の損害に備えたいと考えています。さらに、病気で入院したときの出費にも備えたいと思っています。この2つの備えとして、同じ種類の保険だけで考えるのは適切でしょうか。
答え適切ではありません。自宅の建物や家財の損害は火災保険などの損害保険の領域で考え、病気による入院への備えは医療保険など第三分野の保険で考えるのが基本です。
考え方判断の順序は、まず何の損失を補うかを見ることです。建物や家財は物の損害なので損害保険の発想です。一方、入院は人の病気やけがに関する保障なので第三分野です。対象が異なるため、同じ種類の保険だけで一括して考えるのは不適切です。
確かめ物の損害か、人の病気やけがかを最初に分けられたかを確認しましょう。保険名ではなく、補償対象から判断するのがポイントです。
例題2例題2 簡単な計算または比較
会社Bは次の2つのリスクを比べています。①倉庫内の商品が事故で損害を受けるおそれは年間の想定損失が30万円、②業務中の不注意で第三者の物を壊し、賠償責任を負うおそれは年間の想定損失が50万円です。想定損失の大きさだけで優先順位をつけるなら、どちらを先に検討すべきでしょうか。また、見る保険の種類はどう分けますか。
答え想定損失の大きさだけで優先順位をつけるなら、年間50万円の②を先に検討します。保険の種類は、①は商品という物の損害に備える損害保険の視点、②は第三者への法律上の損害賠償責任に備える賠償責任保険の視点で分けます。
考え方比較は単純に50万円と30万円を比べればよく、②の方が大きいと分かります。ただし重要なのは、金額比較だけで保険の種類まで同じにしないことです。①は自社の物の損害、②は相手への賠償です。損失の大きさの比較と、何を補う保険かの分類を別に考える必要があります。
確かめ計算は50万円−30万円=20万円で、②の方が20万円大きいと確認できます。比較結果と補償対象の分類を混同していないか見直しましょう。
例題3例題3 誤りやすい条件確認
Cさんは『保険金が支払われるなら、税務上の扱いも自動的に同じように考えてよい』と考えています。この考え方は適切でしょうか。理由も述べてください。
答え適切ではありません。保険金や給付金が支払われるかどうかという補償内容の判断と、税務上どう扱うかという判断は別に確認する必要があります。
考え方この分野の基本は、まず補償対象を判断し、その後に税務を別論点として確認することです。個人か法人か、誰が保険料を負担したか、何に対する保険金かによって税務の見方は変わり得ます。したがって、保険金が出るという事実だけで税務まで同じ結論にしてはいけません。なお、具体的な税務の細目は受験日の法令基準日で確認します。
確かめ『補償されるか』と『税務上どう扱うか』を二段階で見ているかを確認しましょう。試験ではこの切り分けができるだけで誤答を減らせます。
よくある間違い
火災保険と地震保険の論点を一つにまとめてしまう。
自動車の事故で、自分の車の損害と相手への賠償を混同する。
第三分野の保険を、物の損害を補う保険と同じ感覚で考える。
保険金が支払われるかどうかと税務上の扱いを一緒に判断してしまう。
法人契約だから同じ取扱いだと思い、契約者や補償対象を見落とす。
この講の用語
- 火災保険かさいほけん
- 建物や家財などの物に生じた損害に備える損害保険の代表例。何が損害の対象かを確認して判断する。
- 賠償責任保険ばいしょうせきにんほけん
- 他人に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合に備える保険。自分の物の損害とは区別して考える。
- 第三分野だいさんぶんや
- 医療、がん、介護など、人の病気やけが、介護状態に備える保険分野。物の損害を補う保険とは見方が異なる。
- 法人契約ほうじんけいやく
- 会社などの法人が契約者となる保険契約。事業上のどのリスクに備える契約かを整理して判断する。
章立て
- 0:00導入この講でできるようになる判断を確認します。
- 0:19中心概念火災・地震・自動車・賠償責任、医療・がん・介護、法人の損害保険。
- 1:07重要用語火災保険、賠償責任保険、第三分野、法人契約
- 1:54基本ルール建物や家財の損害は火災保険など物の保険として考える。 地震による損害は地震保険制度の論点として切り分ける。 他人への法律上の損害賠償責任は賠償責任保険の視点で捉える。 医療・がん・介護は第三分野として、人の病気や状態に着目する。 税務の細目は受験日の法令基準日で確認する。
- 2:19判断手順条件を確認し、分野を特定し、制度・計算を照合してから結論を選びます。
- 2:48確認ケース1Aさんは自宅の建物と家財の損害に備えたいと考えています。さらに、病気で入院したときの出費にも備えたいと思っています。この2つの備えとして、同じ種類の保険だけで考えるのは適切でしょうか。
- 3:24確認ケース2会社Bは次の2つのリスクを比べています。①倉庫内の商品が事故で損害を受けるおそれは年間の想定損失が30万円、②業務中の不注意で第三者の物を壊し、賠償責任を負うおそれは年間の想定損失が50万円です。想定損失の大きさだけで優先順位をつけるなら、どちらを先に検討すべきでしょうか。また、見る保険の種類はどう分けますか。
- 4:38確認ケース3Cさんは『保険金が支払われるなら、税務上の扱いも自動的に同じように考えてよい』と考えています。この考え方は適切でしょうか。理由も述べてください。
- 6:01よくある誤り火災保険と地震保険の論点を一つにまとめてしまう。 自動車の事故で、自分の車の損害と相手への賠償を混同する。 第三分野の保険を、物の損害を補う保険と同じ感覚で考える。 保険金が支払われるかどうかと税務上の扱いを一緒に判断してしまう。 法人契約だから同じ取扱いだと思い、契約者や補償対象を見落とす。
- 7:19まとめこの分野は、保険名から入るよりも、何の損失を補うのかを先に見るのが基本です。物の損害なら火災保険など、人の病気や介護なら第三分野、他人への法律上の賠償なら賠償責任保険というように、対象で整理します。そのうえで、補償内容と税務は別論点として確認し、更新事項は受験日の法令基準日で確認する姿勢を持ちましょう。法人契約も、事業上のどのリスクに備えるかに戻って考えると整理しやすくなります。
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