FPプロセス・倫理・関連法規:顧客情報を提案につなぐ
FP業務の基本となる倫理、守秘義務、関連法規の考え方を整理し、ライフイベント表、キャッシュフロー表、個人バランスシート、提案書へどうつなげるかを学ぶ講義です。顧客情報の収集から提案までの順序を、試験で判断できる形で押さえます。関連法規や統計数値の細部は、受験日の法令基準日で確認する前提で学習します。
動画の視聴は会員向けですこの講で分かるようになること
顧客情報を収集し、FP業務の範囲と提案プロセスを区別できる。
- ライフイベント表とキャッシュフロー表の役割の違いを説明できる。
- 個人バランスシートで資産・負債・純資産の関係を整理できる。
- 提案書が分析後の資料であることを順序で理解できる。
要点
- 顧客利益の優先と守秘義務がFP業務の基本である。
- 情報収集、分析、課題把握、提案、見直しの順序を守る。
- ライフイベント表は将来予定の整理、キャッシュフロー表は家計推移の確認に使う。
- 個人バランスシートは一時点の資産・負債・純資産を示す。
- 提案書は資料分析の結果を顧客向けにまとめたものである。
判断のルール
- 顧客の事情を十分に確認する前に結論を急がない。
- 知り得た顧客情報は守秘義務の観点から適切に扱う。
- 一般的な助言と、個別資格者のみが行う具体的業務を区別する。
- 関連法規や統計数値の更新事項は受験日の法令基準日で確認する。
例題
例題1例題1 制度・資料の判断
相談者Aさんは、今後10年間で子の進学や住宅購入の予定時期を整理したいと考えています。まだ各年の細かな収入や支出までは計算していません。最初に作成して全体像をつかむ資料として、最も適切なのは何ですか。
答えライフイベント表です。
考え方問題文では、『進学や住宅購入の予定時期を整理したい』『各年の収入や支出はまだ計算していない』とあります。将来の出来事を時系列で並べ、家族の節目を見える化する資料はライフイベント表です。各年の収支や資産残高の推移を見るならキャッシュフロー表、ある時点の資産と負債を整理するなら個人バランスシートなので、今回の目的とは異なります。
確かめ予定の時期を整理したいのか、毎年の家計推移を見たいのか、一時点の財産状況を見たいのかを区別すると判断しやすくなります。
例題2例題2 簡単な計算または比較
Bさんの個人バランスシートを作ります。預貯金300万円、株式200万円、自宅1,500万円、住宅ローン残高1,200万円、その他の借入100万円です。純資産はいくらですか。
答え700万円です。
考え方個人バランスシートでは、まず資産合計を出します。300万円+200万円+1,500万円=2,000万円です。次に負債合計を出します。1,200万円+100万円=1,300万円です。純資産は、資産合計から負債合計を差し引いて求めるため、2,000万円−1,300万円=700万円となります。個人バランスシートは一時点の財産状態を確認する資料なので、年間収支は使いません。
確かめ資産と負債を混同しないこと、純資産は『資産−負債』で求めることを確認しましょう。
例題3例題3 誤りやすい条件確認
Cさんは面談で家計や資産の詳しい内容を話しました。担当者は面談後、まだ現状分析をしていない段階で、すぐに結論だけを伝える短い提案文を作ろうとしています。この対応で、最も注意すべき点は何ですか。
答え情報収集から分析、課題把握を経ずに提案を急いでいる点です。
考え方FP業務では、顧客情報を収集し、その内容を分析して課題を整理したうえで提案へ進むのが基本です。問題文では、現状分析をしていないのに結論だけを先に示そうとしているため、FPプロセスの順序に反しています。加えて、面談で得た情報は守秘義務の対象になるため、情報の扱いにも注意が必要ですが、設問の中心は『提案を急ぎすぎている』点です。
確かめ提案書は最初に作るものではなく、資料収集と分析の後に作成するものだと整理しておきましょう。
よくある間違い
ライフイベント表だけで毎年の家計収支まで分かると考えてしまう。
キャッシュフロー表と個人バランスシートの違いを、時系列か一時点かで整理できていない。
提案書を情報収集前に作るものだと誤解する。
守秘義務を倫理だけの話と考え、実務上の基本行動に結び付けられない。
この講の用語
- FPプロセスえふぴーぷろせす
- 顧客情報の収集、現状分析、課題整理、提案、見直しへ進む一連の流れのことです。
- 守秘義務しゅひぎむ
- 業務で知った顧客や家族の情報を、正当な理由なく外部へ漏らしてはいけない義務のことです。
- キャッシュフロー表きゃっしゅふろーひょう
- 将来の各年の収入、支出、年間収支、資産残高などを見通すための表です。
- 個人バランスシートこじんばらんすしーと
- ある時点での資産と負債を整理し、純資産の状況を把握するための一覧表です。
章立て
- 0:00導入この講でできるようになる判断を確認します。
- 0:24中心概念倫理、関連法規、ライフイベント表、キャッシュフロー表、個人バランスシート、提案書。
- 1:23重要用語FPプロセス、守秘義務、キャッシュフロー表、個人バランスシート
- 2:15基本ルール顧客の事情を十分に確認する前に結論を急がない。 知り得た顧客情報は守秘義務の観点から適切に扱う。 一般的な助言と、個別資格者のみが行う具体的業務を区別する。 関連法規や統計数値の更新事項は受験日の法令基準日で確認する。
- 2:35判断手順条件を確認し、分野を特定し、制度・計算を照合してから結論を選びます。
- 3:14確認ケース1相談者Aさんは、今後10年間で子の進学や住宅購入の予定時期を整理したいと考えています。まだ各年の細かな収入や支出までは計算していません。最初に作成して全体像をつかむ資料として、最も適切なのは何ですか。
- 3:42確認ケース2Bさんの個人バランスシートを作ります。預貯金300万円、株式200万円、自宅1,500万円、住宅ローン残高1,200万円、その他の借入100万円です。純資産はいくらですか。
- 4:56確認ケース3Cさんは面談で家計や資産の詳しい内容を話しました。担当者は面談後、まだ現状分析をしていない段階で、すぐに結論だけを伝える短い提案文を作ろうとしています。この対応で、最も注意すべき点は何ですか。
- 6:04よくある誤りライフイベント表だけで毎年の家計収支まで分かると考えてしまう。 キャッシュフロー表と個人バランスシートの違いを、時系列か一時点かで整理できていない。 提案書を情報収集前に作るものだと誤解する。 守秘義務を倫理だけの話と考え、実務上の基本行動に結び付けられない。
- 7:20まとめFP業務では、顧客利益の優先と守秘義務を土台に、情報収集から分析、課題把握、提案、見直しへと順序立てて進めます。ライフイベント表は将来予定の整理、キャッシュフロー表は家計の流れ、個人バランスシートは一時点の財産状態の確認に使います。これらを踏まえて提案書を作成する、という流れを一つの線で理解することが重要です。
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